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「装いの力 —異性装の日本史」展、本日開幕!

お知らせ | 2022.09.03

本日9月3日(土)より「装いの力 —異性装の日本史」展が開幕いたしました。

男性か女性か—私たちの心の奥底に横たわる二元論です。しかし歴史を振り返れば、人々はこの性の境界を、身にまとう衣服によって越える試みをしばしば行ってきました。
日本には、ヤマトタケルをはじめとした異性装をしたエピソードの伝わる神話・歴史上の人物たちが存在するほか、異性装の人物が登場する物語や、能・歌舞伎といった異性装の風俗・ 嗜好を反映した芸能も古くから数多くあります。西洋文化・思想の大きな影響下にあった近代日本社会では、一時期、異性装者を罰則の対象とする条例ができるなど変化がおとずれますが、それでも現代まで異性装が消えることはありませんでした。近年では、人間に固定の性別はなく、従って「男性/女性」という二者択一の規定を取り払い、多様な性のあり方について理解し、認め合うという動きがでてきたものの、実際には性別における二項対立の構図はいまだに様々な場面で目にするものでしょう。我々はいかにして性別を越えてゆけるのか。その可能性を鮮やかに示してきた「異性装」の「力」について考察します。

地下一階展示室:古代から近世にかけての異性装を紹介。日本では、女装/男装の豊かな文化が育まれていました。
2階展示室:近代から現代、そして未来へ。性の境界は今後どう変化していくのでしょうか。