中国の宋時代に美の極致をむかえたといわれる青磁。中島宏氏は、この最も難しいといわれる青磁に果敢に挑んで、研究と試行を繰り返してきた。
中島宏は昭和16(1941)年に窯元の家に生まれ、家業の製陶を手伝い始め、二十代で「どうせつくるなら技術的に難しいが、焼き物の最高といわれる青磁をつくろう」と決意し、中国古窯青磁の完璧なまでの美しさを追求、古陶の「写し」にとどまる作家の中にあって、中国の青銅器に触発されて彫りを入れたり、或は印象派の絵から想を得て釉薬を重ねて色に深みを出す試みに挑みつづけた。「宇宙を作品に表現したい。空は無限に広がる。連想し、空想し、目に見えないものを」と目指す中島氏は、鮮烈な、まさに独創的な中島青磁というべき作品を生み出し、昭和56(1981)年に第一回西日本陶芸展で総理大臣賞を受賞したのを皮切りに、昭和58(1983)年に日本陶芸協会賞、平成8(1996)年にはMOA岡田茂吉大賞、藤原啓記念賞の同時受賞など多くの受賞に輝いている。本展では、作陶50年を記念し、中島芸術の真の魅力を提示すべく、その初期の作品から近作まで100点を選び陳列し、雄勁な魅力に溢れる中島青磁の世界を概観した。なお本展は、日本経済新聞社との共催であり、福岡市美術館に巡回した。
また、展覧会閉幕後、中島氏より青瓷彫文壺(平成16(2004)年・出品番号89)をご寄贈いただいた。
展覧会情報
会期 | 2005年10月4日(火)~2005年11月20日(日) |
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入館料 | 一般300円 小・中学生100円
※60歳以上の方及び障害者の方は無料 ※毎週土曜日は小中学生無料 |
休館日 | 10月11日(火)・17日(月)・24日(月)・31日(月) 11月4日(金)・7日(月)・14日(月) |
主催 渋谷区立松濤美術館 日本経済新聞社 |