長く渋谷に暮らした写真家・大辻清司（大正12（1923）年－平成13（2001）年）。その業績は、写真作品に留まらず、写真というメディアをめぐって、デザイン、編集、出版、評論と積極的に関わることで、現代的な写真観を基礎作る上で大きな足跡を残したものといえる。本展では、写真の思索者としての作家像を打ち出し、美術作家、デザイナー、評論家、ギャラリー運営者、学生らさまざまな立場の人たちとのコラボレーションの成果として大辻の写真的営為を振り返ることを試みた。
ニュープリントによる初期作品の紹介のほか、映像上映、雑誌で発表した作品の額装、ビンテージプリント展示も行い、多様な写真のあり方を示した。カタログでは、大辻の評論活動を紹介するため、代表的文章を再録した。
当展覧会は新聞各紙展評、書評などで好評を得た。

展覧会情報

会期	2007年6月5日（火）～2007年7月16日（月）
入館料	一般300円　小・中学生100円 ※60歳以上の方及び障害者の方は無料 ※毎週土曜日は小中学生無料
休館日	毎週月曜日
主催　渋谷区立松濤美術館 協力　写真実験室の会