景徳鎮千年展

皇帝の器から毛沢東の食器まで

2007年7月31日(火)~2007年9月17日(月)

北宋時代の景徳元年(1004)年にその元号を冠して「景徳鎮」の名前が誕生する。元時代には宮廷向けに白磁を焼き、明・清時代には「官窯」が置かれてその地位はゆるぎないものとなった。生産する陶磁器のスタイルも、明るい水色が美しい青白磁、コバルトを使用した青花、色彩豊かな装飾を施した五彩磁器と、時代の好みやスタイルに合わせて進化を遂げてきた。
清時代の終焉とともに、「官窯」体制も終わりを告げ、陶工たちは民営の道を模索した。それから一世紀が経ち、まさに現代に一度だけ「官窯」が復活した、といえるのが「7501工程」における陶磁器の製作であった。1975年2月、北京の中央政府から、当時の最高責任者・毛沢東のために最高級の食器を作るよう、命令が下る。景徳鎮きっての名工たちが、最高の材料を使用し、革新的な技術を開発して、それまで実現したことのなかった1400℃以上の高火度で焼き上げ、ついにこのプロジェクトを完成させる。
本展は、官窯の優品を中心に景徳鎮の歴史を紹介する第一部と、純白な薄い素地に鮮やかな紅梅文様の絵付けを施した「7501工程」の磁器を紹介する第二部で構成した。来場者が大変多く、日本人の景徳鎮に対する憧憬と愛好が感じられた。知られざる「現代の官窯」の結晶である7501工程は、シンプルな図様であるために一層、景徳鎮の誇る透き通り輝くような純白と愛らしい桃色が際立ち、多くの来場者が見入っていた。
岐阜県現代陶芸美術館、茨城県陶芸美術館、山口県立萩美術館・浦上記念館に巡回したあと、当館で開催された。

展覧会情報

会期 2007年7月31日(火)~2007年9月17日(月)
入館料一般300円 小・中学生100円
※60歳以上の方及び障害者の方は無料
※毎週土曜日は小中学生無料
休館日毎週月曜日
主催 渋谷区立松濤美術館 朝日新聞社
特別協力 MEKホールディングス
協力 全日本空輸
企画協力 東京国立博物館
コーディネート S2
展覧会図録

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完売