これまで当館では、絵馬や浮世絵の展覧会を開催し、江戸時代の豊かな庶民文化を紹介してきた。幟旗もまたこれらと並び、江戸時代の庶民文化を代表する存在であった。
幟旗の多くが、風雨にさらされる消耗品であったために、廃棄されてしまったものも多く、これまで美術作品として十分に評価されることなく、埋もれかけていた。しかし幟研究家の北村勝史氏によって評価と収集の先鞭がつけられて以降、鈴木忠男氏(美術コレクター)と、林直輝氏(吉徳資料室主任学芸員)がこれに続いたことにより、江戸時代の幟の、芸術表現としての質の高さが、ようやく見直されようとしている。本展は、三人のコレクターの多大なる協力を得て、三コレクションあわせて五百点近い幟旗から、百点を厳選。その魅力あふれる世界を提示することができた。公立美術館で初の試みである。本展のために作成した図録は、三者にご寄稿いただき、今後の幟の分野で基本的資料となると期待される。本展を機縁に、幟旗を紹介する展覧会が国内外で企画、開催されている。
展覧会情報
会期 | 2009年7月28日(火)~2009年9月13日(日) |
---|---|
入館料 | 一般300円 小・中学生100円
※60歳以上の方及び障害者の方は無料 ※毎週土曜日は小中学生無料 |
休館日 | 毎週月曜日 |
主催 渋谷区立松濤美術館 |
展覧会図録
完売