生誕120年

野島康三 ― 肖像の核心展

2009年9月29日(火)~2009年11月15日(日)

平成3(1991)年に京都国立近代美術館と巡回で開催した「野島康三とその周辺」展から約20年を経過するうちに、当館では野島康三作品および資料をご遺族、ご関係者から寄贈を受けることが何度かあった。生誕120年を記念して、それらの公開を兼ね、その後の研究成果をふまえた野島康三の個展を初めて美術館で開催することとした。
人物像において独自の展開を示し得た近代写真の巨人として、代表作をおおまかに年代順に展示し、関連資料を豊富に交えて展示した。なかでも、昭和7(1932)年の個展「女の顔」の出品作品を現存作品のなかで確定し、コーナーを作って展覧できたことには意義があった。
また、同時期に赤々舎から『野島康三写真集』が出版されたことから、図録では通常の展覧会カタログの形式とは別の性格の出版物を発行した。すなはち、寄贈された作品と資料を整理編集し、所蔵品により1冊の作家資料集としてまとめるという初めての試みである。ここには野島家の家系を示す古文書から、ポートレート、野島が関わった出版物、画廊の案内状や関係者の作品などできるだけ図版を交えながら、作家アルバム風にまとめることを考えた。同書は美術館連絡協議会優秀カタログ賞をいただくことができた。

展覧会情報

会期 2009年9月29日(火)~2009年11月15日(日)
入館料一般300円 小・中学生100円
※60歳以上の方及び障害者の方は無料
※毎週土曜日は小中学生無料
休館日10月5日(月)・13日(火)・19日(月)・26日(月) 11月2日(月)・4日(水)・9日(月)
主催 渋谷区立松濤美術館
協力 京都国立近代美術館
展覧会図録

展覧会図録

価格:1,500円

購入する