中國美術館所蔵

中国の扇面画

2010年6月8日(火)~2010年6月27日(日)

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爽やかな風を起し、涼しさと心地よさをもたらしてくれる扇は、扇風機や空調機の普及した今日でも、我々の日々の生活に欠かせないものである。
宗の詩人蘇轍は「扇は日本より来るも、風は日本の風に非ず。一但日本扇を執れば、風来りて自ずから窮ること無し」(「楊主簿日本扇」・『欒城集』巻十三所収)と詠んでいる。中国で「折扇」と呼び、或は「摺扇」「撒扇」などと呼ばれる「おうぎ」は宗代に日本から中国へもたらされ、次第に中国社会に普及していったもので、日中の文化交流を象徴するものといえる。
本展ではこうした扇面に描かれた絵画作品105点を陳列した。その中の約30点により、明末から民国時代にかけての中国画の伝統的な流れをみていただいた。
また、70点余の作品は、中國美術館が、現在の中国画壇の第一線で活躍する画家たちに依頼して描かれた作品である。小さな、また、特殊な形をした画面だが、そこにはそれぞれの画家の意境が示され、さまざまな技法が駆使されている。これらの作品を通して、伝統を踏まえつつ、新たに創作の道を模索する今日の中国画壇の状況をうかがうことができると考える。また、本展を通して日中の長い交流の歴史を振りかえり、両国の相互理解と交流が深まることを願ってやまない。

展覧会情報

会期 2010年6月8日(火)~2010年6月27日(日)
入館料一般300円 小・中学生100円
※60歳以上の方及び障害者の方は無料
※毎週土曜日は小中学生無料
休館日毎週月曜日
主催 渋谷区立松濤美術館 中國美術館
協力 日本中国文化交流協会
後援 中華人民共和国駐日本国大使館
併催 橋本コレクションの中国絵画
展覧会図録

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価格:2,000円

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