シャガールのタピスリー展

マルク・シャガールとイヴェット・コキール=プランス 二つの才能が織りなすシンフォニー

2012年12月11日(火)~2013年1月27日(日)

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20世紀を代表する巨匠マルク・シャガール(1887-1985)。シャガールは、一枚の絵画を完成させるために、数十枚のスケッチやドローイングを制作しているが、それ以外にも、コラージュやタピスリー、テキスタイル、ステンドグラス、陶器などといった様々な手法を用いた作品を残している。それらの手法から得られた色彩や構図は、そのまま自身の絵画世界へと還元され、より魅力的で豊潤な世界を生み出すようになった。
本展では、シャガールの世界観を形成した「サーカス」、「花束と人物」、「色の分割」、「おんどりと恋人たち」「地中海の青」などのいくつかのテーマに沿って、シャガールが試みた様々な手法の中から、特にタピスリーを中心に、油彩や版画を織り交ぜ、そこに表現された世界を紹介した。
このタピスリーを制作したのは、シャガールが最も信頼したタピスリー作家のイヴェット・コキール=プランス(1928-2005)である。イヴェットが紡ぎだしたタピスリーは、シャガールの絵画に表れている本質を失うことなく、色彩やリズム、大胆な構図がそのままうつしとられ、時にはシャガールによる絵画以上に、「シャガール」そのものを体現しているといえる。このことはシャガール自身が認めていることであり、二人のアーティストが試みた新たな表現世界の成果でもある。
このタピスリーを中心とした本展では、シャガールとイヴェットという二人が織りなす素晴らしき表現の世界を、私たち自身が体感する大変貴重な機会となり、新たなシャガールの魅力の発見にもつながった。と同時に、5メートル四方にもおよぶ大判のタピスリーは、当館の高い天井のある展示室の空間と相まって、すばらしい展示効果をあげていた。時間をこえてイヴェットと白井晟一との恊働ともいうものである。

展覧会情報

会期 2012年12月11日(火)~2013年1月27日(日)
入館料一般300円 小・中学生100円
※60歳以上の方及び障がい者の方は無料
※毎週土曜日は小中学生無料
休館日12月17日(月)・25日(火)・29日(土)~1月3日(木)・7日(月)・15日(火)・21日(月)
主催 渋谷区立松濤美術館
協力 AOKIホールディングス 日本航空
特別協力 メレット・メイヤー
企画協力 株式会社キュレイターズ
展覧会図録

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価格:2,100円

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