特別陳列

来舶画人と長崎派

1990年3月13日(火)~1990年3月25日(日)

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日本と中国との間には、政治・経済・文化のうえで永い交流の歴史があった。17世紀から19世紀にかけての中国清朝の時代、日本は江戸幕府の鎖国体制下にあったが、長崎を窓口にして交流は続けられ、毎年多くの中国商船が中国の文物を舶載して渡来し、商人とともに、僧侶・医師・儒者などの文化人が往来した。
日本の享保年間には、渡来した沈南蘋一派が中国の伝統的花鳥画を伝え、日本の近世絵画に新風を吹き込み、長崎派花鳥画の基を開き、また、中国商人の中には、伊孚九や江稼圃など画技に優れた者がおり、新知識を求めて来崎する日本各地の文人と交わり、日本南画の形成に多大の影響を与えている。
当館では、昭和61(1986)年に「特別展 橋本コレクション 中国の絵画―来舶画人―」と題して、来舶画人の作品による展観を行い、好評を博したが、本展では、橋本コレクション、谷コレクションの中から、来舶画人と長崎派の画家の作品を選び陳列し、日本近世における日中の絵画交流の軌跡を、作品を比較しつつ顧みた。

展覧会情報

会期 1990年3月13日(火)~1990年3月25日(日)
入館料無料
休館日3月19日(月)、22日(木)
併催 第8回渋谷区小中学生絵画展
併催 特別陳列 渋谷区在住作家の作品