開館記念特別展

森 芳雄

1981年10月1日(木)~1981年11月7日(土)

開館記念の特別展として開催された本展は、長年、渋谷区に在住し洋画界の重鎮として活躍されている森芳雄氏の作品を陳列した。
森芳雄氏は、明治41(1908)年に生まれ、戦後、渋谷区西原に転居し現在に至っている。1930年協会洋画研究所に入所し、中山巍の指導を受けた後、昭和6(1931)年より3年間渡仏した。「少女像」「肱つく女」はその頃の作品である。帰国後、独立美術協会展に出品するなど、渡仏時代に親交を結んだ矢橋六郎・山口薫らと作品を発表した。戦後は、自由美術協会から昭和39(1964)年主体美術協会の結成に加わり、現代日本美術展、平和美術展等の数々の美術展に出品した。氏は、欧米の抽象絵画の盛んな時期においても、常に具象絵画の新しい開拓者として進んだ。透明感のある茶色系の肌合いと、画面の骨格をさぐる線は、重厚な作品を現出させている。回顧展としては、昭和50(1975)年東急本店で開かれて以来の企画となり、それ以降の作品も十数点陳列した。近作の動向と共にこれまでの氏の芸術を系統的に知ることのできる展観となった。

展覧会情報

会期 1981年10月1日(木)~1981年11月7日(土)
入館料一般200円 小・中学生100円
休館日毎週月曜日(ただし、第2週のみ日曜日)祝日の翌日及び年末年始(12月29日~1月3日)
主催 渋谷区立松濤美術館
併催 開館記念特別陳列 菱田春草
併催 開館記念特別陳列 渋谷区在住作家の作品
展覧会図録

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完売