開館記念特別陳列

菱田春草

1981年10月1日(木)~1981年11月7日(土)

本展は渋谷区ゆかりの菱田春草の作品9点を選び陳列した。
明治の日本画家菱田春草は、東京美術学校に学び、横山大観、下村観山と共に校長岡倉天心の薫陶を受け、後の日本美術院創立に大きく貢献したことはつとに有名である。その画風は当時は朦朧体と言われ、厳しい批評も受けた。しかしその後、春草は日本美術界を代表する芸術家の一人として高く評価されている。朦朧体とは描線を目立たせず、大気、水その他を一種のボカシを使って表現するものである、当時の日本画の世界では随分目新しい様式として映ったのである。その代表作として陳列した「釣帰」「雨後」「春の朝」があり、いずれも朦朧体によるふくよかで水々しい雰囲気を良く表現している。晩年、渋谷区代々木の地に住み創作に励んだが、明治44(1911)年惜しくも37歳の若さで逝去した。

展覧会情報

会期 1981年10月1日(木)~1981年11月7日(土)
入館料一般200円 小・中学生100円
休館日毎週月曜日(ただし、第2週のみ日曜日)、祝日の翌日
併催 開館記念特別展 森芳雄
併催 開館記念特別陳列 渋谷区在住作家の作品
展覧会図録

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完売