特別陳列
柚木沙弥郎の染色
1993年4月7日(水)~1993年5月23日(日)
本展は現代染色界で、型染めの分野で活躍している柚木沙弥郎の染色作品約35点を陳列した。
柚木は大正11(1922)年に東京に生まれ、東大で美学美術史を学んだあと、倉敷の大原美術館に勤めた。そこで、染色家、芹沢銈介の作品と運命的な出会いを持ち、彼に師事して染色の世界へ入っていった。その後、浜田や河井らが活躍した国画会に出品して現在もその中心作家として活躍している。女子美術大学においても教師として指導し、大きな影響力を残している。
柚木の作品は、型紙と防せんのりを使用する型染めの技法によっているが、そのモチーフは具象から抽象まで幅広い展開を示している。人シリーズのような人形を半抽象化したとぼけたユーモア感のある作品や鳥を扱ったシリーズがユニークである。一方、幾何形態や、自然のいぶきや鼓動を感じさせるダイナミックなくり返しパターンの作品にも幅広い斬新な様式をきり開いている。その根底には日本のモチーフだけでなく、インドやアフリカの力強い土俗的なエネルギーと共通した創作意欲が感じられ、現代日本の染色界の新しい一つの分野をめざしている。
展覧会情報
会期 | 1993年4月7日(水)~1993年5月23日(日) |
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入館料 | 一般200円 小・中学生100円 |
休館日 | 4月11日(日)・12日(月)・19日(月)・26日(月)・30日(金) 5月6日(木)・7日(金)・9日(日)~11日(火)・17日(月) |
併催 特別展 現代ドイツのジュエリー・デザイン |
展覧会図録
完売