特別陳列

浜田浜雄

―シュールレアリスムの世界

1996年2月4日(日)~1996年2月25日(日)

本展は、浜田浜雄(大正4(1915)年-平成6(1994)年)の油彩画、写真、デザインなど68点と遺品など関連資料を展示した。
浜田浜雄は昭和前期、日本で急速に浸透したシュールレアリスムの影響を受けた作家である。瀧口修造や詩誌『新領土』の詩人たちとの親交もあり、次々に結成された群小グループの中ではもっとも遅い部類になる帝国美術系のグループ「絵画」を結成した。戦争に突入する短い期間のなかで、数は多くないもののきわめて水準の高い作品を発表した。戦後は、グラフィックデザインに転向し、大辻清司らと「グラフィック集団」を結成し、イラスト、写真なども制作している。浜田浜雄の作品は東京国立近代美術館に収蔵されている作品のほか、生前、2、3の例外を除いて全く展示公表されることがなかった。79歳で死去した後アトリエにはほとんどの作品が残されており、今回が事実上、初公開であった。
本展を通して、浜田浜雄のシュールレアリスム芸術の全貌を紹介できたことは、仲間であった「絵画」のメンバーのその後もある程度調査が進むとともに、戦時中の幾多の青年画家が経験した困難な時期について一面を紹介できたと思う。

展覧会情報

会期 1996年2月4日(日)~1996年2月25日(日)
入館料無料
休館日2月5日(月)、13日(火)、14日(水)、19日(月)
併催 1996松濤美術館公募展
展覧会図録

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完売