橋本コレクション

中国近現代絵画

1989年6月13日(火)~1989年7月23日(日)

中国の近代は、1840年の阿片戦争を以て始まる。以後、太平天国の乱、義和団事変、辛亥革命、五・四運動、日中戦争、更に国共内線、中華人民共和国の成立、文化大革命を経て現在に至るこの150年は、波乱に富んだ中国の歴史の中でも、際立った激動の時代であった。この間、中国は様々な面で近代化を成し遂げていった。
絵画においても、伝統的文人画から職業的文人画へ、更に、日本や欧州への留学生が伝えた西洋絵画の影響を受け、また日本などに倣って美術学校が設立され、國畫の誕生へと展開していった。
中華人民共和国の成立以後は、絵画の世界に於いても社会主義思想の具現化としての一面が見られ、長い中国絵画の歴史の上でも、制度的、思想的な面でも極めて顕著な変化が見られた時期であった。
本展では、橋本末吉氏収集の中国絵画コレクションの中から、近代初期、上海を中心に活躍した海上派の虚谷、任伯年をはじめとし、呉昌碩、齊白石、徐悲鴻、張大千ら中国近現代を代表する画人百五十餘人の作品を陳列し、中国絵画の伝統を継承しつつ、新たな境地を切り開いていった軌跡を概観した。
時に中国では天安門事件が勃発、文化大革命以来の路線闘争の中で画家達が今後どの様な創作活動を展開していくのかに思いをはせざるを得なかった。

展覧会情報

会期 1989年6月13日(火)~1989年7月23日(日)
入館料一般200円 小・中学生100円
休館日毎週月曜日・第二日曜日
主催 渋谷区立松濤美術館
展覧会図録

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完売