特別陳列

とよた真帆 絵ときもの展

すべての季(とき)、すべての宙(そら)

2009年2月8日(日)~2009年3月15日(日)

女優として活躍しているとよた真帆氏の、フエルトペンやパステルの絵画、エナメルで描いたガラス器および彼女がデザインした友禅の着物、西陣唐織の帯、扇子など、様々な技法で制作した60点ほどの作品を展示した。
アートの本質に迫ろうとする道筋はひとそれぞれであるが、大雑把にいって、アカデミックな教育を受けた場合は、もちろん遅速の差はあるが、一段ずつ階段を昇るようなものである。一方で、これを通らない一部の人たちのなかには、アートの本質に一足飛びに突っ込んでゆこうとする場合がある。とくに、近代以降では手技の巧拙が直接アートの本質に結びつかない傾向にある。
とよた真帆氏の場合、ポップな色彩や簡略な形態の様からは、現代的に翻訳した花鳥画の世界を思わせる。しかしその実、現実を描いているわけではないし、再現をしようとするのでもない。ある種、シュルレアリスムで言うオートマティスム的な心象の表出である。彼女の制作は難しいことはない。感覚のままに、描けばよい。ただ肝心なのは、本人がそれをコントロールするすべを知っているかどうかだ。彼女ならではの、この軽やかな感性や美意識、その心象風景が見る人々にどのように受けとられたのか興味あるところである。

展覧会情報

会期 2009年2月8日(日)~2009年3月15日(日)
入館料無料
休館日2月9日(月)、12日(木)、16日(月)、23日(月)~27日(金)、3月2日(月)、9日(月)
前期:平成21(2009)年2月8日(日)~22日(日)
 併催 2009松濤美術館公募展
後期:平成21(2009)年2月28日(土)~15日(日)
 併催 第27回渋谷区小中学生絵画展
展覧会図録

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完売