特別陳列

江戸の花鳥画

1983年2月22日(土)~1983年3月31日(木)

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江戸時代の様々な花鳥画の流れを、谷信一氏寄託品の中から選び陳列し、概観した。
江戸時代には狩野派の謹厳実直な画風、土佐派の大和絵風の画、琳派の装飾的で華美な画風、円山四条派の写実的で豪華な画風、文人達による自由闊達・軽妙洒脱な画風、僧侶等の精神的意義を重視した画風、中国渡来の新しい写実主義を盛り込んだ画風などいくつかの画風が有った。これらの画風が刺激し合い、次の時代の絵画の基礎となった。伊年印「草木図」は琳派風の伸びやかで大らかな画風を示し、勝田竹翁「白鷹図」は彩色豊かな堂々たる鷹の姿狩野派風に示し、田中訥言「瓢箪図」は軽みの有る画風である。熊代熊斐「墨梅図」、黒川亀玉「鶏図」、方済「梅に叭々鳥図」などは当時の中国(清)の画風の影響を色濃く反映している。森狙仙「猿猴図」、柴田是真「梅雀図」は円山四条派の流れの中から生まれた。他に文人浦上玉堂の息子の春琴の「墨梅図」、同じく文人田能村竹田を学んだ平野五岳の「梅図」、僧明堂の「竹石図」などを陳列した。

展覧会情報

会期 1983年2月22日(土)~1983年3月31日(木)
入館料無料
休館日2月28日(月)、3月7日(月)~17日(月)、21日(月)、22日(火)、28日(月)
前期:1983年2月22日(土)~3月6日(日)
併催 1983松濤美術館公募展
併催 渋谷区在住作家の作品
後期:1983年3月18日(火)~31日(木)
併催 第1回渋谷区小中学生絵画展
併催 渋谷区在住作家の作品