20世紀中国画壇の巨匠

20世紀中国画壇の巨匠 傅抱石

―日中美術交流のかけ橋―

1999年10月12日(火)~1999年11月21日(日)

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傅抱石は明治37(1904)年に江西省南昌に生まれ、独学で書画篆刻を始めた。江西省第一師範学校に入学後、美術創作と研究を本格的に始め、大正14(1925)年には最初の著作「國畫源流概述」を出版。母校の教員となったが、昭和8(1933)年に徐悲鴻の推挙により日本に留学、帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)で金原省吾教授の薫陶を受け、東洋美術史、彫塑などを学び、昭和10(1935)年に銀座松坂屋で開いた個展では、横山大観や正木直彦らの賞賛を受けている。
同年に帰国。南京中央大学芸術系教授となり、後進の指導に当たるとともに、著作や明末清初の画家石濤に関する研究に努めた。抗日戦争中は一時重慶に移り、抗日宣伝工作に従事。解放後は南京師範学院教授、西泠印社副社長などを歴任し、江蘇省國畫院の設立に尽力して初代院長となり、南京画壇の中心として活躍したが、昭和40(1965)年に急逝。北京の斉白石とともに「二石」と称される中国現代絵画を代表する存在である。
中国の名山大川を遍く巡り、山水、特に雨景及び瀑布にすぐれ、独自に編出した皴法は「抱石皴」といわれている。併せて、「楚辞」等の文学作品や歴史・故事に取材した人物画にもすぐれ、また、横山大観や橋本関雪に倣った作品もあり、近代日中の絵画交流を考える上でも重要な存在である。
本展では、南京の傅氏家蔵作品を中心に、武蔵野美術大学付属図書資料館に収蔵される留学時代の作品及び米国、臺灣、香港、国内の美術館・個人の収蔵品などあわせて約100 点を陳列し、20世紀中国画壇の最高峰ともいえる傅抱石の、伝統を踏まえつつ独自の画風を樹立した画業をかえりみるとともに、日中の絵画交流についても考察した。なお、息女の傅益瑶、益玉両氏は現在日本画壇で活躍をしている。

展覧会情報

会期 1999年10月12日(火)~1999年11月21日(日)
入館料一般300円 小・中学生100円
※65歳以上の方及び障害者の方は無料
※第二、第四土曜日は小中学生無料
休館日10月18日(月)・25日(月) 11月1日(月)・4日(木)・8日(月)・14日(日)・15日(月)
主催 渋谷区立松濤美術館 読売新聞社 美術連絡協議会
協力 江蘇省文化庁 江蘇省国画院
協贅 花王株式会社
展覧会図録

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完売