50年前、オリンピックに沸く東京を舞台に過激でスマートな活動を繰り広げたグループ、「ハイレッド・センター」の初めての本格的な回顧展。高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之の頭文字の英訳を並べて自らのグループ名とし、平穏な日常を「撹拌」して、高度経済成長の道をまっしぐらに進む人びとの意識を覚醒させる、「匿名」の行動を行った。
本展では、半世紀を経てハイレッド・センターの仕事を総合的に紹介するため、現在は各美術館の所蔵品となっている当時制作されたオブジェ作品、再制作作品、「直接行動」を記録した記録写真や文献資料、映像作品を中心に、一部再現展示をまじえて、臨場感のある展示を試みた。
山手線車内とホームで行われた「山手線事件」、日比谷の帝国ホテルでの「シェルター計画」、白衣を着用し、銀座の並木通りで行った「首都圏清掃整理促進運動」など代表作を網羅した上で、これまで知られていなかった活動や資料、作品を展覧することができた。
国際的な評価が高まっているハイレッド・センターについての関心は、日本国内でも若い世代に拡がっていることが来館者からうかがわれた。ツイッター上での評判が高く、話題になったことも本展の特徴のひとつである。
当時のパフォーマンスを一部再現したイベント、出品作家による講演会、関係者を招いてのギャラリートーク特別版を会期中に開催し、いずれも好評を得た。
展覧会情報
会期 | 2014年2月11日(火・祝)~2014年3月23日(日) |
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入館料 | 一般300円 小・中学生100円
※60歳以上の方及び障がい者の方は無料 ※毎週土曜日は小中学生無料 |
休館日 | 毎週月曜日および祝日の翌日(ただし3月22日(土)は開館) |
主催 渋谷区立松濤美術館 日本経済新聞社 |
展覧会図録
完売