スサノヲの到来

いのち、いかり、いのり

2015年8月8日(土)~2015年9月21日(月・祝)

No Image

大地を揺るがし草木を枯らす荒ぶる魂と、和歌の始祖としての繊細な美意識を兼ねもつスサノヲ。スサノヲは地震や雷、嵐といった破壊的イメージとして表象されますが、同時に既存のものを原点にもどし、新しい世界を開くはたらきとして想起されます。破壊と創造、猛々しさと繊細さといった相反する性格をあわせもつスサノヲは漂泊の神でもあり、日本人の深層に潜み、その潜在意識を支配しています。ときとしてスサノヲは天災として顕現しますが、見落としてはならない点は芸術家に霊感をあたえるその力です。
本展は、スサノヲの多面的な性格を探ることによって日本人の深層に迫るものです。和歌の始祖としてのスサノヲのはたらきを具現する出口王仁三郎と大本歌祭、ならびにスサノヲに始まる漂泊の精神の体現者としての西行法師や松尾芭蕉、円空らを通じて、うたとさすらいにより成就される祈りや表現を探ります。それとともに、異界を探求した平田篤胤の軌跡を辿り、彼によって提唱された幽冥界を訪ねることにより夜見国とその統治者としてのスサノヲを考察します。さらには、古層の神と感応して作品を遺した岡本天明・金井南龍、また若林奮や佐々木誠などの現代作家の作品を一堂に展示することにより、彼らの創造する感性にスサノヲに通じる自由な精神の発露を見出そうとするものです。

展覧会情報

会期 2015年8月8日(土)~2015年9月21日(月・祝)
入館料一般500円、大学生400円、高校生・60歳以上250円・小中学生100円
※団体(10名以上)のお客さまが同時に入館される場合、2割引となります。
※障がい者とその付添の方各1名は無料です。入館の際に障がい者手帳等をご提示ください。
※金曜日に入館される渋谷区民の方は無料です。入館の際に住所のわかるものをご提示ください。
※土・日曜日、休日、小中学生は無料です。
休館日8月10日(月)・17日(月)・24日(月)・31日(月)・9月7日(月)・14日(月)
主催 渋谷区立松濤美術館 読売新聞社 美術館連絡協議会
協賛 ライオン 清水建設 大日本印刷 損保ジャパン日本興亜 日本テレビ放送網
展覧会図録

展覧会図録

完売