空の発見

Discovering the Sky

2024年9月14日(土)~2024年11月10日(日)
September 14, 2024-November 10, 2024
※会期中、展示替えあり
前期:2024年9月14日(土)~11月14日(月・祝)  
後期:2024年10月16日(水)~11月10日(日)

香月泰男
《青の太陽》
1969年 油彩、方解末、木炭、カンヴァス
山口県立美術館

松川龍椿作
京都名所図屏風》(左隻)
江戸時代後期
国立歴史民俗博物館 [右隻・左隻の展示替えあり]

前北斎改為一
《富嶽三十六景山下白雨》
江戸時代 木版多色刷
埼玉県立歴史と民俗の博物館 [後期展示]

ジョン・コンスタブル
《デダムの谷》
1805-17年頃 油彩、カンヴァス
栃木県立美術館

武内鶴之助
《雲》
1910-12年頃 パステル、紙
目黒区美術館

萬鉄五郎
《雲のある自画像》
1912年 油彩、カンヴァス
(公財)大原芸術財団 大原美術館

岸田劉生
《窓外夏景》
1921年 油彩、キャンヴァス
茨城県近代美術館

ホンマタカシ
《「TOKYO SUBURBIA 東京郊外」幕張ベイタウン、千葉県》
1995-98年 発色現像方式印画
東京都現代美術館

阪本トクロウ
《ディスカバー》
2005年 アクリル、綿布
山梨県立美術館

私たちが毎日見ている「空」。現代では誰もが共通のイメージを描けるあたりまえの存在に思われます。ところが日本の美術のなかでは、近世になるまで「空」を現実的に描こうとする意識は希薄でした。障屛画では黄金地や金雲などがこの空間を占め、水墨画では余白のような位置づけである時もあります。もとより「空」(そら)は(くう)とも読めるように、神の世界である「天」でも、人間のいる「地」でもない、曖昧な場所でした。

近世になると、西洋絵画などの影響をうけ、洋風画や泥絵、浮世絵などに青空が広がりだします。なかでも江戸時代、たびたび青空を描いた画家の司馬江漢(1747-1818年)が、蘭学から地動説を学び、科学的な空間認識を持っていたことは、「空」への意識の変化を考えるうえで示唆的です。一方で、浮世絵のなかの典型的な空の表現“一文字ぼかし”のように、その表現は形式的、概念的なものであることもありました。

明治以降、本格的な西洋画教育や、科学的な気象観測の導入をうけ、刻々と変化する雲や陽光を写しとろうとする画家たちが登場します。ところが次世代には、表現主義やシュールレアリスムなどの新潮流の影響のなか、自らの心象をこの空間に托すように多様で個性的な「空」を描く画家たちが続くのです。

そもそも、私たちの視点はふだん地上に向けられ、絵の中で「空」が主役となることは稀です。地上で震災や戦災が起こり、人間の活動がなぎ払われたとき、廃墟上に広がる空、戦地で見上げた空などが、突如重い存在感を持ち出します。目の前にありつつも意識されなかった空間が大きく浮かびあがる様は、認知の不確かさを物語ります。

現代、かつては従属的であった「空」を中心に据えることで、表現に活路を見出すアーティストたちも現れました。見えているけど、見えていない。本展は、こうした「空」の表現の変遷を通じて、そこに映し込まれる私たちの意識の揺らぎを浮かび上がらせようとするものです。

展覧会情報

会期 2024年9月14日(土)~2024年11月10日(日)
September 14, 2024-November 10, 2024
※会期中、展示替えあり
前期:2024年9月14日(土)~11月14日(月・祝)  
後期:2024年10月16日(水)~11月10日(日)
入館料一般1,000円(800円)、大学生800円(640円)、
高校生・60歳以上500円(400円)、小中学生100円(80円)
※( )内は団体10名以上及び渋谷区民の入館料
※土・日曜日、祝休日は小中学生無料
※毎週金曜日は渋谷区民無料 
※障がい者及び付添の方1名は無料
※入館料のお支払いは現金または渋谷区キャッシュレス決済アプリ「ハチペイ」のみとなっております。

【リピーター割引】観覧日翌日以降の本展会期中、有料の入館券の半券と引き換えに、通常料金から2 割引きでご入館できます。なお、1枚の入館券につき、1回まで有効となります。
休館日月曜日(ただし9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日(火)、24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
主催:渋谷区立松濤美術館

イベント情報

❶ アーティスト・トーク1「無有に遊ぶ」

日時:9月28日(土) 午後3 時-(約1 時間30 分)
講師:阪本トクロウ氏(画家、本展出品作家) 聞き手:当館学芸員
場所:地下2 階ホール

※無料(要入館料)
※定員60 名(要事前申込、抽選制)

◎イベント申込方法
往復はがきまたは申込フォームにて承ります。1通につき1名のお申込みが可能です。

【往復はがき】
〒・住所・氏名(ふりがな)・日中連絡のつく電話番号、参加希望のイベント名をご記入の上、空展イベント係まで。
【申込フォーム】
当館ホームページ上の申込フォームからお申込みください。
締切:9 月17 日(火)
※迷惑メール等の受信制限をされている方は、事前に当館からのメール「@shoto-museum.jp」が受信できるようにドメイン設定をお願いいたします。
締切日後4日間以内に抽選結果通知が届かない場合はお問い合わせください。

❷ アーティスト・トーク2「空をのむ」

日時:10月12日(土) 午後3 時-(約1 時間30 分)
講師:AKI INOMATA 氏(現代美術家、本展出品作家)
場所:地下2 階ホール
※無料(要入館料)
※定員60 名(要事前申込、抽選制)

◎イベント申込方法
往復はがきまたは申込フォームにて承ります。1通につき1名のお申込みが可能です。

【往復はがき】
〒・住所・氏名(ふりがな)・日中連絡のつく電話番号、参加希望のイベント名をご記入の上、空展イベント係まで。
【申込フォーム】
当館ホームページ上の申込フォームからお申込みください。
締切:9 月30 日(月)
※迷惑メール等の受信制限をされている方は、事前に当館からのメール「@shoto-museum.jp」が受信できるようにドメイン設定をお願いいたします。
締切日後4日間以内に抽選結果通知が届かない場合はお問い合わせください。

❸ 特別講座「空の発見 見えているけど、見えていないものはどのように描かれてきたか」

日時:10月26日(土) 午後3 時-(約1 時間)
講師:平泉千枝(本展担当学芸員)
場所:地下2 階ホール
※無料(要入館料)
※定員60 名(要事前申込、抽選制)

◎イベント申込方法
往復はがきまたは申込フォームにて承ります。1通につき1名のお申込みが可能です。

【往復はがき】
〒・住所・氏名(ふりがな)・日中連絡のつく電話番号、参加希望のイベント名をご記入の上、空展イベント係まで。
【申込フォーム】
当館ホームページ上の申込フォームからお申込みください。
※締切:10 月13 日(日)
※迷惑メール等の受信制限をされている方は、事前に当館からのメール「@shoto-museum.jp」が受信できるようにドメイン設定をお願いいたします。
締切日後4日間以内に抽選結果通知が届かない場合はお問い合わせください。

学芸員によるギャラリートーク

9月20日(金)、10月5日(土)、10月20日(土)各日午後2時~(約40分)
※無料(要入館料)
※事前申込の必要はありません

フライデー・ナイト館内建築ツアー

白井晟一設計の美術館建築を職員がご案内します。
9月20日(金)、27日(金)、10月4日(金)、11日(金)、18日(金)、25日(金)、11月1日(金)、8日(金)
各日午後6時~(約40分)
※各回定員20名
※無料(要入館料)
※事前申込の必要はありません

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